・ペンテコステ礼拝説教 使徒の働き2章1-13節「聖霊が注がれる時」
2018.05.20
鴨下 直樹
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今日はペンテコステと呼ばれる主の日です。クリスマスやイースターは今ではその意味を多くの人が知っています。この二つの大きなお祝いの日と並んで三大祭と数えられているのがこのペンテコステ、聖霊降臨祭です。この日は、聖霊が与えられた日、そして、教会が誕生したという二つのことを覚える日です。
ところが、この「聖霊」というのがよく分からないという方が案外多いのです。先ほど、子どもたちと一緒に「聖書のおはなし」を聞きました。ずいぶん丁寧に、この「聖霊」の働きについて説明してくださったので、少し整理できたのではないかと思います。
今日の聖書でも、この聖霊の性質について大事なことがいくつか書かれています。少し、聖書の箇所をみてみるとこのように書かれていました。
五旬節の日になって、皆が同じ場所に集まっていた。すると、天から突然、激しい風が吹いて来たような響きが起こり、彼らが座っていた家全体に響き渡った。
ここで、聖霊のことが「激しい風」と表現されています。この聖霊のことを風と表現するのは、実はこの聖霊の性質についてよくあらわしています。「風」というのは見ることはできませんが、感じることができます。そこに動きがあるからです。神の霊である聖霊も、見えないから分からないと感じるかもしれませんが、風のように、そこに動きがあるので分かるわけです。聖霊というのは、動き、働きです。じっと動かないで何も起こらないというのではなくて、聖霊はその働きを通して、その存在を感じることができるのです。
この聖霊の働きというのはこれまでのイスラエルの人々の信仰から大きな変化をもたらしました。その天地を創造されたまことの神のお働きが、聖霊によって、まるで風が吹いているかのように、しかも激しい風のように吹き付けることによって、神の働きを感じることができるようになったのです。
しかも、この2節ではこの「風」は「響きが起こった」とあります。この聖霊の働きは、「響き」となって「音」となって人に理解されたというのです。この神の霊による働きかけは、壁にさえぎられると感じることができなくなってしまうというのではなくて、響きとして、音としても聞き取ることができた。つまり、誰もがこの聖霊の働きを知ることができるということがここで表現されていたわけです。
そして、3節では
また、炎のような舌が分かれて現れ、一人ひとりの上にとどまった。
と書かれています。「炎のような舌」というのは象徴的な表現です。この表現も2節の「風のような響き」という言い方と同じようで、まず、聖霊の働きを炎で表現しています。 (続きを読む…)