聖餐の小説教 2015.6.7
先週の月曜日から水曜日までJEA、日本福音連盟の総会が行われました。その総会に出席しまして、そこで、今年は時に戦後70年を迎え、私たちはまさに、今、この時代に会ってどのような教会であろうとするのかという声明文を採択しました。福音派と呼ばれる私たちの教会の交わりは、実にさまざまな背景の教会がそこに属しています。それらの違う背景の持つ教会が、一つの声明文は出すと言うのはとても大変な労力のいることです。そういう意味では、それほど深められた言葉の声明文とは言い難いのですけれども、これまでの福音派の歩みを評価と反省をしつつ、今、それこそ、この国会においても、安全保障関連法案の審議をしています。特に憲法9条の解釈変更ということを、この国会で何とか通そうとしています。先日も国会に三人の専門家が呼ばれまして、この三人ともが、今回の憲法解釈の変更は違憲だという判断を下しました。そういう「今、この時」わたしたちは主イエスの与えてくださる光のなかでどのように生きるのか。そのことが表現される声明文をということが話し合われました。その今回の「戦後70年にあたっての声明」の最後にこういう言葉が書かれています。
「私たちJEAは、戦時下における日本の教会の罪の歴史と悔い改めの決意を次世代に伝えます。そして戦後日本の福音派キリスト教会終結の原点を改めて心に刻み、現在の日本において、聖書を誤りなき神のみことばと信じる聖書信仰のゆえに、神の似姿として創られた人間の尊厳といのちを脅かし、敵意と争いを生み出すあらゆる力に抵抗し、イエス・キリストの十字架にあらわされた神の愛を人々に伝えると共に自ら生き、家族・地域・社会でその愛による平和と和解が実現していくように努力します。また、国家と社会に対して聖書の規範性とイエス・キリストの主権性を告白し、信教・思想の自由を守り、イエス・キリストだけを主とする信仰に生きることを通して、国家と教会の正しい関係を指し示します。」
あまり、洗練された美しい言葉とは云えませんけれども、今の時代に生きるキリスト者として国家と教会という関係はキリストへの信仰の中に証されると信じると言い表しています。それはまさに、このヨハネの福音書の言葉でいうならば、キリストの光の中で今を生きるキリスト者でありたいという信仰です。キリストが私たちを光のなかへと引き寄せてくださる。そこにこそ、私の生きる道はあるし、この世界もまたそこにしか道を見出すことができないと信じると言うことです。
私たちの主は、この暗闇の世界にあっても、私たちに光をもたらし、光の中に生きるよう私たちを引き寄せてくださるお方なのです。