2014 年 1 月 1 日

・元旦礼拝説教 詩篇73篇 28節 「神の近くにある幸い」

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2014.1.1

元旦礼拝

鴨下 直樹

ローズンゲン2014年 年間聖句  

 

詩篇73篇28節

「わたしは、神に近くあることを幸いとします。」 新共同訳 

「わたしにとっては、神の近くにいることが、しあわせなのです。」 新改訳

 

 

 新年を迎え、この新しい一年の御言葉として今年はこの詩篇73篇28節の御言葉が与えられています。ローズンゲンは新共同訳聖書を使っておりますので、新共同訳の聖書を取り上げたいと思いますが、そこには「わたしは、神の近くにあることを幸いとします。」と書かれています。「神の近くにある幸い」をこの一年覚えようと勧められているのです。何と素晴らしい御言葉が私たちに与えられているのでしょうか。この御言葉の通りに、神の近くにいる幸いを覚えることができる一年となるように誰もが願うことでしょう。

 今日の御言葉は詩篇73篇の一節です。詩篇73篇というのは、旧約版放蕩息子の物語などと言われる場合があります。と言いますのは、この詩篇の前半で、作者は悪者が神に対して敵対して生きているにも関わらず、富みを得ていることに目をとめながら、そのような生活にどこかで心惹かれている姿が描かれているからです。神に逆らって生きても、豊かな富を得、幸せそうに見える。作者はその姿を見て、おかしいではないかと嘆いているのです。

 これは、私たちでも同じような心を持つことがあるのではないかと思います。「正直者が馬鹿を見る」というこの世の中で、信仰に生きることのむなしさを覚えることが少なからずあるのです。今日も、多くの人々が初詣に行きます。そのように多くの人々がさまざまな豊かさを求めて祈りをする。私たちの信じている神が真の神であるならば、どうして私たちは僅かな人々しか教会に集わないのかと感じることがあるかもしれません。ある方々は、家族が初詣にいくのを断って、家族から離れて一人でこの礼拝に来たという方も少なくないと思います。けれども、ここに集っても、この世の中が持つような華やかさはありません。そこで、少しさびしい思いを持つ方があるかもしれないのです。

 ところが、この詩人は十七節でこのように書いています。新改訳聖書ではこう書かれています。

私は、神の聖所にはいり、ついに、彼らの最後を悟った。

 詩人は気づきます。礼拝に集って気づくのです。そうだ、この神こそが永遠の神なのだと。24節。

あなたは、私をさとして導き、後には栄光のうちに受け入れてくださいましょう。

この神に導かれるならば、私たちは栄光のうちに受け入れられるのだと悟るのです。ドイツ語のある聖書ではこの「栄光のうちに」というところを「天国に受け入れてくださる」と訳している者があります。神に受け入れられるというのは、天国に受け入れられるということだとしたのです。

 「わたしにとっては、神の近くにいることが、しあわせなのです。」と28節にあります。そして、この御言葉が私たちに今年与えられている御言葉です。何をもって「神の近くにいる」と感じるかは、それは、ひとりひとり異なるかもしれません。「天国にいられている」と受け止めることも、「栄光のうちに受け入れられる」と感じるのも、その受け止め方はそれぞれです。しかし、神は私たちと共に歩んでくださることによって、私たちに近くあることをお示しくださるお方です。

 今年のローズンゲンのはじめのページにこの年間聖句の小さなメッセージが載せられております。そこにはこう記されています。

 

「この騒がしく不透明な日々の中で、できるかぎり多くの人々が、神が近くにいる幸いを経験できる助けとなることを、日々の聖句は願っています。人生の道程を一人ぼっちで進むようなことがなく、常に神とそして他の人々との対話が進みますように。」

 

 私たちに与えられている今年一年、そこに何が待ちかまえているか、私たちには分かりません。しかし、確かなことは、私たちは一人ぼっちで歩んでいるのでは無いのです。そこには必ず主が伴っていてくださいます。神の姿が見出すことができないと感じるような厳しい出来事が起こったとしても、主は近くにいてくださいます。

 むしろ、私たちが気をつけなければならないのは、私たちのほうからこの神から離れて行ってしまうことです。神が近くにおられるのに、神が見えなくなってしまう。神に気づかなくなってしまって、自分の思い、悪い考えに支配されてしまう。しかし、そこには、真の幸いはありません。この詩人が、聖所で我に返ったように、私たちも礼拝の生活と共に、常に、私たちも心を主に向けて、主が近くにいてくださる幸いを覚える一年となるよう覚えて祈ります。

 

 お祈りをいたします。

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