・説教 ヨハネの福音書21章15-25節「新しい愛の戒めに生きる」
2016.05.01
鴨下 直樹
先週の金曜日、東海聖書神学塾が主催しております教会学校教師研修会が行われました。この東海地区の教会から130名を超える教会学校の教師が集まりまして、一日研修の時を持ちました。私自身、主催者ということもあって例年は分科会の担当を持っているのですが、今年は分科会の担当がありませんでしたので、「中高生クラスについて考える」という分科会に参加いたしました。講演を担当したのは、古知野教会の岩田直子牧師です。実は、私はまだ神学校に行く前のことですけれども、当時稲沢教会の開拓をしておりましたヘルミーネ・ダルマン宣教師に頼まれまして、この教会で毎週土曜日に行われていた子ども集会の手伝いに行っていました。そこに、まだ小学校1年生だったか2年生だったか、小さな女の子の一人として彼女は参加していました。今から数年前に彼女は牧師になりまして、私が以前牧会しておりました古知野教会で今、牧師をしております。小学生から中学生、高校生、そのあとも教団の学生会で関わりつづけておりましたし、その後も、東海聖書神学塾で学びましたので20年以上、関わりを持ち続けているのですが、今、岩田先生は教団の学生会を担当しています。先日、春の学生キャンプに私が講師で呼ばれた時にも大勢の学生たちが集まっておりました。以前は、私が学生担当の牧師で、彼女は学生でしたけれども、今度は反対に、私自身、岩田先生から学ぶところが沢山あるのではないかと思って分科会に参加したのです。今の、中学生や高校生とどう向き合うことができるのか、特に、私の説教の言葉はどのようにしたらこの世代の人たちの心に届くのだろうかと普段から考えさせられておりますので、期待して参加したのですが、とてもいい話しを聞くことができました。
この分科会には、各教会で中高生の担当をしておられる教師や、その世代の子どもをもつ親などが参加していたようです。中でも、私がとても心惹かれたのは、教師たちに「自信を持って聖書の言葉を語るように」と、岩田先生がこんな話をしてくれました。「学生たちが抱く悩みは、恋愛の事、これからの進路の事、家族のこと、自分自身のこと、いろんな悩みを抱えています。そして、どうしていいか、どう考えたらいいのか分からないでいます。けれども、私たちの多くは学生たちよりも少し長い人生経験をしています。自分も恋愛をしてきたでしょう。進路のことで悩んできたでしょう。毎日の生活でいろいろ悩みながら、クリスチャンとして生きている中で、聖書から教えられて来たことがあるはずです。それは、この学生たちに語るべき言葉を持っているということなのだから、自分がどうであったのか、どう考えて来たのか、そこから話したらいい。自信をもって話したらいい。きっと、学生たちはそういう話を聞きたいと思っているはずです。」そんなふうに語っておられるのを聞いて、私はこの場にいる教師たちみんなが、きっと励まされたに違いないとある感動をもって聞きました。当たり前のことのようですけれども、私たちは目の前にある状況が変わって来ると、生きている生活スタイルが異なってくると、自分の経験はもう時代に合わないので、そんなことを話しても意味がないのではないかと勝手に思い込んでしまう。自分の方から、諦めてしまって、語るべき大事なことを語れなくなってしまうことがあるのではないかということを、改めて考えさせられました。 (続きを読む…)