・説教 「バベルの塔 ー 言葉の届く喜びー 」 創世記11章1節-9節
鴨下直樹
私事で始めて大変恐縮なのですが、今週でドイツから帰国して一年が経ちました。時々、こんな質問を受けることがあります。 「日本に戻って来て何か違いがありますか?」というものです。その度に、私は心の中で思うのは、「日本は言葉が通じるからいい」という思いです。まだ、私たちがドイツで生活し始めて間もない頃の事ですけれども、通っていた教会のお年寄りの方々が、言葉がまだあまりできない私たちに向かってこう言ったことがあります。「バベルの塔のせいで言葉が通じなくなってしまったのは残念ね。だけど、天国では十分に話し合うことができるから楽しみだわ。」と。 もちろん、三年半という期間ドイツに住んでおりましたので、最後の方はだいぶ苦労もしなくなってきましたけれども、十分とは言えません。けれども、言葉が通じるという経験は、本当に大きな喜びとなりました。 ですから、こうして日本語でお互いにストレスなく話すことができることは、私にとって本当にありがたい事です。けれども、同じ日本語を使いながら、普段からよく話していても、言葉が通じるとは言えないということも同時に考えさせられています。 (続きを読む…)
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