2012 年 4 月 29 日

・説教 マタイの福音書22章23-33節 「生ける者の神」

Filed under: 礼拝説教 — miki @ 20:46

2012.4.29

鴨下 直樹

先週、私はある一冊の本を読んで過ごしました。それは、精神科医で作家でもある加賀乙彦さんが最近出版された『科学と宗教と死』という小さな本です。小さな本ですけれども、この加賀さんの自伝と言ってもいいような内容の書物です。自分が医師としてどのように生き、作家としてどう生きたか。特に、「死」という問題に生涯向かい合ってきた人ですから、死をめぐるいくつもの言葉が載せられています。
この本を読みながら、木曜に近くにありますキリスト教の老人ホームを訪れ、そこでイースターのテーマで短い説教をしてきました。大変印象的な体験となりました。そして昨日、執事であるKさんのお母さんが倒れたという知らせを受けました。
この一週間、死ということを心にとめ続けてきた一週間だったと言っていいと思います。

そのように、この一週間ずっと死ということを考えながら、この今朝与えられている御言葉を読み続けてきたのです。それは、私にとって特別な体験となりました。ここで語られていることも、「死」の問題です。
「人は死と向き合うとどうなるか。」 (続きを読む…)

2012 年 4 月 22 日

・説教 「慈しみという人格」

Filed under: 礼拝説教 — miki @ 12:10

本日は、鴨下 わたる 牧師が説教をして下さいました。

2012 年 4 月 15 日

・説教 マタイの福音書22章15-22節 「あなたは一体何者か?」

Filed under: 礼拝説教 — miki @ 21:39

2012.4.15

鴨下 直樹

先日、車の中であるラジオ番組を聞きました。東京大学情報学環教授の姜尚中(カンサンジュン)さんの番組です。この方は昨年までNHKの日曜美術館という番組の司会もやってこられた方です。日曜の朝九時から十時までという時間ですから見たことのある方は少ないかもしれません。この方はもともと政治学が専門なのですけれども、そういう番組を任されるほどこの方は美術というものに深い関わりを持ってこられました。この方がキリスト者であるということはあまり知られておりませんけれども、信仰に生きておられる方です。この姜尚中さんが昨年末に『あなたは誰?、わたしはここにいる』という小さな本を書かれました。このラジオはこの本についてのインタビューだったのですが、大変心動かされる内容でした。

 これは姜尚中さんがまだ二十代の後半の時、これから自分が何をしていいかわからないでいた時にドイツに行ったんだそうです。南ドイツのミュンヘンにあるアルテ・ピナコテークという美術館を訪れます。そこで、一枚の絵との出会いが姜さんの人生を決定的に変えたと言います。その絵はアルブレヒト・デュラーの自画像ですけれども、この絵はデュラー自身、二十八の時に描いたものです。姜さんはこの絵を見ていて、この絵から問いかけられているような気がしたのだそうです。「あなたは一体何者のか。」と。「私はここにいる。あなたはどこに立っているのか。」とデュラーに問いかけられながらも、その絵から深い慰めを受けたといいます。今、将来どうしていいかまだ分からないでいる自分の生き方もゆるされているような気がしたと、そのラジオのインタビューの中で答えておられました。

 私たちはそのように自分自身が何者であるかということを自分自身に問う時に、私たちはどのように答えを見つけ出すのでしょう。

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2012 年 4 月 8 日

・説教 マタイの福音書22章1-14節 「神からの招待」

Filed under: 礼拝説教 — miki @ 21:35

2012.4.8
イースター礼拝

鴨下 直樹

イースターおめでとうございます。このイースターの礼拝を子どもたちと一緒にお祝いすることができることを嬉しく思います。この朝私たちに与えられている聖書もまた、祝いの場面です。結婚の祝いの場面です。しかもそのお祝いは、王さまからの直々の招待だというのです。王子が結婚をするというので、その祝いの場に招待されるというのですから、これは誰もが心待ちにし楽しんで出かけるところでしょう。
ところが、今日の話は少し変わっています。そのような王の結婚の宴に招いておいた人々が「来たがらなかった。」というのです。食事に期待できないからでしょうか。あるいは、王さまのことが嫌いだからでしょうか。王さまのことが嫌いでも、生涯に一度あるかどうかの王の宴会ですから、参加しておいても損はないと思うところですが、招かれた人々は畑仕事や商売に出かけて行ってしまいます。それどころか、ある人たちはこの祝宴に招いてくれた王のしもべを殺してしまったとさえ書かれています。
しかも、話はそれだけではありません。招いた人々が誰も来ないので、今度は大通りに出かけて行って出会った者を誰でもいいからこの祝宴に招くようにとしもべに伝え、片っぱしから宴会に招いたのだというのです。それで話が終わればいいのですけれど、今度はそのようにして招かれた人の中に、婚礼の礼服を来ていない人が一人いたといいます。そして、この人を縛り上げて外に出してしまったというのです。

さらに、この話の最後に何が書かれているかと言いますと、「招待される者は多いが、選ばれる者は少ないのです。」とあるのです。選ばれる者は少ないと言ったって、追い出されたのは一人だけなのですから、謎は深まるばかりです。 (続きを読む…)

2012 年 4 月 7 日

・今月の礼拝予定(2012年4月)

Filed under: 今月の礼拝予定 — susumu @ 22:05

4月1日 受難節第6主日

主日主題: 受難
聖書: マタイ21:33-46
説教: 「神の国の実を結ぶ国民に」  鴨下直樹牧師

礼拝後:各部会

4月6日(金) 受難日

主日主題: 十字架
聖書: ルカ22:1-34
説教: 「あなたの信仰がなくならないように祈った」  鴨下直樹牧師

4月8日 イースター

主日主題: 復活
聖書: マタイ22:1-14
説教: 「神からのご招待」 鴨下直樹牧師

礼拝後:持ち寄り昼食会

4月15日 復活後第1主日

主日主題: 今生まれた乳飲み子のように
聖書: マタイ22:15-22
説教: 「カイザルのものはカイザルに 神のものは神に」 鴨下直樹牧師

礼拝後:礼拝子ども相談会、役員会

4月22日 復活後第2主日

主日主題: 主の慈しみ
説教: 鴨下わたる 牧師

午後:教会役員研修会(稲沢)

4月29日 復活後第3主日

主日主題: 全地よ、喜べ
聖書: マタイ22:23-33
説教: 「生ける者の神」 鴨下直樹牧師

2012 年 4 月 1 日

・説教 マタイの福音書21章33-46節 「神の国の実を結ぶ国民に」

Filed under: 礼拝説教 — miki @ 21:54

2012.4.1

鴨下 直樹

今朝は、教会の暦で棕櫚の主日、あるいはパームサンデーと呼ばれる主の日です。そして、今週から受難週を迎えます。この蝋燭も最後の一本になりました。今日は、主イエスがエルサレムに入城なさったことを覚える日です。そして、私たちもこの一週間の出来事を引き続き、聖書から聞き続けています。聖書にはこの受難週のうちに起こった一週間の出来事を大変丁寧に記しています。今朝でマタイの福音書二十一書が終わりますけれども、二十七章に至るまでまだまだこの週に起こった出来事を聞き続けるのです。ですから、来週は教会の暦では復活節になりますが、イースターの箇所ではなくて、マタイの二十二章の御言葉を聞くことになります。
それは、講解説教というスタイルで礼拝をする教会はどこでもそのように、ひたすらに順をおって主の御言葉を聞き続けることが大切だと考えるからです。なぜかと言いますと、そうすることによって、この福音書が私たちに語ろうとしていることが良く分かるからです。
今日の箇所もエルサレムに入られてからイスラエルの指導者たちとの論争の場面です。特に、先週この指導者の祭司長や民の長老たちが主イエスに問いかけた、「あなたは何の権威でこれらのことをしておられるのですか」という問いに対して主イエスが答えておられるところです。先週すでに聞きました通り、そこで主イエスは「ヨハネのバプテスマは、どこから来たものですか。」と反対に問いかけられました。そして、その問いに答えられなかったイスラエルの指導者たちに「わたしも、何の権威によってこれらのことをするのか、あなたがたに話すまい。」と言われたのです。
けれどもその後で、主イエスは三つのたとえ話をなさいます。その三つともがこの権威についての問いに答えておられるわけです。すでにその一つ目は先週聞きました。そして、今朝のところでは「ぶどう園と農夫のたとえ」と言われたり、あるいは「悪いぶどう園の農夫のたとえ」などと言われる主イエスのたとえ話です。

たとえ話というのは、普通は話を分かりやすくするために用います。私も礼拝の説教の中でたびたびたとえ話を用いますけれども、時々妻などに叱られるのは、あなたのたとえ話は話が深まらないでかえって意味が狭まってしまうなどと言われます。ホントに説教を聞いておられる方には申し訳ないと思うのですけれども、そのようにたとえ話を使うというのは、実は簡単なことではありません。ちょうどぴったりくるものでないかぎり、話の筋から離れてしまうことがあるからです。
しかし、主イエスのたとえ話というのはそうではありません。実に深いところに引き込むのです。 (続きを読む…)

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