・説教 「カインの末裔とセツの子孫」 創世記4章17-26節
鴨下直樹
今、芥見の礼拝において創世記の御言葉を聞き続けています。この創世記は、神がこの世界をお造りになったことと、その後、人々がどのように神と歩んだのか、いや、どうして神と共に歩むことができなくなったのかが丁寧に語られています。人間は、神のように生きたいと願った結果、神から離れて生きることを選び取ってしまったこと。そして、前回のところでは、アダムとエバの二人の息子カインが、弟アベルと共に生きることを拒み殺してしまうことを通して、一緒に生きていく者を失ってしまったことが語られていました。つまり、神から離れ、隣人を失ってしまいます。こうして人間は孤独な存在となったところまでが、前回のところでした。
今日の聖書の個所は、読んでみますと、それほど重要なことが語られていないように、一見、見えます。そして、実際に、私のところにある様々な創世記に関する書物も、このところは飛ばしてしまっているものが多いのです。けれども、良く読んでみますと、この物語は私たちがすーっと通り過ぎてしまうことはできないほどの、大切なことが語られていることに気がつくのです。
今日のところは、この孤独になってしまったカインがどのようになっていくかが、語られているところです。簡単に言いますと、カインの子孫、カインの末裔の事が語られています。けれども、少しそこで立ち止まって考えてみますと、少しおかしいということになります。何がおかしいのかと言いますと、アダムとエバには二人の息子しかいなかったはずなのに、どうしてひとりぼっちになったカインが結婚できたのか?ということが気になるのです。 (続きを読む…)