・説教 詩篇66篇20節 「祈る心を整えて」
2013.5.5
鴨下 直樹
復活節の第六主日、この日は「ロガーテ」という名前がつけられています。「祈れ」と言われる日です。しかも、今日は五月五日子どもの日です。子どもの日に祈れという主の日を迎えているのですけれども、考えてみますと、祈りは子どもでもできる簡単なことと言うこともできます。
もう今からずいぶん前のことで私が神学生をしていた頃、「かみさまへのてがみ」という本が詩人の谷川俊太郎さんの訳で出版されました。これはもともとはアメリカのものです。子どもたちが神さまに宛てて書いた手紙が紹介されており、そこに谷川さんの翻訳が添えられているものです。
子どもが神さまへ宛てて書いた手紙です。最初はこんな手紙で始まります。「かみさま、ぼくも なかまに いれてよ。 あなたのともだち ハービーより」
紹介したい内容が沢山ありますが、少しだけ紹介します。
「かみさま あなたは きりんを ほんとに あんなふうに つくりたかったの? それとも あれは 何かの まちがいですか? ノーマ」
「かみさま ちかごろ あたらしい どうぶつを はつめいしないのは なぜなの? いまいるのは ふるいの ばっかりだよ。 ジョニィ」
「かみさま どうせ わたしの のぞみが わかってるんなら どうして おいのりも しなきゃならないの? でも あなたが 気分いいなら わたし するわよ。 スー」
素朴な神さまへの疑問を手紙につづっているのが良く分かると思います。神さまへの手紙というのは、そのまま神さまへの祈りと言い換えてもいいと思いますが、不思議なものです。手紙にしてみると、具体的になるようです。私たちも祈る時に、一度神に書いてみるといいのかもしれません。まさに、神さまに宛てて書く手紙のようにです。子どものように素直な気持ちで、どんなことでも祈ることができる。それが、祈りの素晴らしさでもあります。
この朝は、祈るということについて、一緒に少し考えてみたいと思います。 (続きを読む…)