・説教 ヨハネの福音書1章35-42節 「何を求めているのか?」
2014.3.23
鴨下 直樹
「あなたたがたは何を求めているのですか。」
これが、このヨハネの福音書の中で最初に主が語りかけられた言葉です。主イエスは、ご自分に付いて来た者に向かって尋ねられました。この弟子たちは先日までバプテスマのヨハネの弟子でした。ヨハネが語る言葉にそれまでは何かあると感じていた人たちです。そのヨハネが主イエスを指し示して、このお方は「見よ、神の小羊」と言ったのです。そうヨハネが言うのを聞いて、イエスに従ったと記されています。このヨハネの弟子達だったうち、一人はシモンペテロの弟アンデレと名前が紹介されています。もう一人ははっきりしません。この二人は、最初から、主イエスが苦しみの道を歩むお方だということを知っていたのだと、この福音書は意図しているようです。けれども、このお方が「神の小羊」であるということが何を意味するのかはまだこの時には良く分かっていなかったようです。まだ出会ったばかりで、二人の弟子にしてみてば、イエスというお方が良く分からない時に、主イエスはこう尋ねられたのです。「あなたがたは何を求めているのですか」と。
この問いかけは、私たちすべてに向かって今も問いかけられている問いです。「あなたは、何を求めてきているのですか」。私たちは何を求めて、教会に集い、こうして礼拝をささげているのでしょうか。しかも、私たちは知っています。このお方がやがて十字架の上で殺されてしまうお方だということを。十字架で人の手にかかって殺されてしまうお方に、私たちは何を期待しているのでしょうか。
今、主イエスの受難を覚えるレントの季節を迎えています。そこで私たちは、自分自身にもう一度問わなければならないのは、「私は何を求めているのか」ということなのかもしれません。 (続きを読む…)