芥見キリスト教会

本日は、名古屋市にある神の倉教会のベルナス・カーステン宣教師が礼拝説教をしてくださいました。

 

今日の説教はご聖霊についてです。クリスチャンの信仰のためにとても大切なことですが、分かりやすいテーマではありません。聖書はたくさんの箇所で、ご聖霊について語っています。旧約聖書と新約聖書の両方に、神様のみたまについての記事があります。 

創世記1章2節には「神の霊が水の上にうごいていた」と書いてあります。

また、旧約聖書はダビデについて、次のように書いています。

「主の霊がその日以来、ダビデの上に激しく下った。」（サムエル記第一16章13節）。 

たぶん、みなさんはご聖霊についての記事を聖書のあちこちで読むことがあるでしょう。しかし、「それらは、ご聖霊はだれだろうか」とか「ご聖霊の目的はなんだろうか」という疑問にはなかなか答えてくれないでしょう。 

クリスチャンの信仰の基本的な真理は、三位一体の教えです。

聖書の神様はお一人で、はっきり、ちがう三つの別個の人格が認められます：父なる神様、御子イエス様とご聖霊です。 父なる神様、御子イエス様とご聖霊を特徴によって、わけることはできません。三位一体の神様のみ心と個性はお一人です。三位一体の神様には父なる神様、御子イエス様とご聖霊が存在しておられますが、言葉で全てのことを説明することはできません。しかし私から見て、父なる神様と御子イエス様はご聖霊より分かりやすいテーマだと思います。 

父なる神様はこの世を創造して下さった方です。人間は自分のお父さんを思い出すことによって、父なる神様を想像することができます。もちろん、それ以上に、聖書の神様はとてもよいお父さんです。

御子イエス様は私たちの罪のために死んで下った方です。主イエス様はこの世に住んでおられました。人間になって、人間の生活をされました。ですから、私たち人間はイエス様をも想像することができます。

では、ご聖霊とは、いったいだれでしょうか？ 

 

私は今日の説教のためにいろいろな聖書の箇所を選びました。それらの箇所からご聖霊についてちょっと説明したいと思います。もちろん、ひとつのメッセージでそんなに大きなものを説明することはできません。しかし、まずはガイドラインをお話したいと思います。 

A． 聖書の中で、ご聖霊は約束された方です。イエス様が天に戻られる時、彼は弟子たちに聖霊が助け主として来られると言われました。ヨハネ福音書14章26節がこれを語っています。聖書によると、イエス様はまだこの世に生きておられたとき、この約束を与えられました。十字架に死んで下さるまえに、イエス様は弟子たちにこの言葉で大きな励ましを与えて下さいました。イエス様はその時、「ご聖霊はどこから来るのだろうか」とか「ご聖霊の目的はなんであるか」という疑問に答えられました。 

• ① 天のお父様がご聖霊を送って下さいます。 

ご聖霊の源は父なる神様です。他の場所からは来られません。そして、イエス様とご聖霊は同じところから来られました。このお二人は天のお父様のところから来られました。そして、父なる神様はご聖霊をイエス様の名によっておくって下さいます。ですから、御子イエス様とご聖霊をわけることができません。

イエス様はヨハネの福音書で、もう一つのことを教えられました。 

• ② ご聖霊の目的は「教え」と「それを思いおこさせる」ということです。 

ご聖霊はイエス様が弟子たちに教えたことを思いおこさせて下さいます。すなわち、ご聖霊はイエス様の弟子たちにすべてのことを教え、弟子たちが主イエス様の教えを忘れないように助けます。この聖書個所から、もうひとつのことを学ぶことができます。 

• ③ イエス様はご聖霊を「助け主」といわれます。

その名前をとおして、イエス様はご聖霊の個性を説明して下さいました。助け主という言葉は、聖書を書いた言語、すなわちギリシャ語で「パラクレトス」といいます。その言葉の意味は「助け」とか「はげまし」という意味です。英語で「助け主」という言葉は”counselor”と言います。この「カウンセラー」という言葉から、いまよく使われている”counseling”という言葉がうまれました。

それらの言葉をとおして、ご聖霊の個性がだんだん分かってくることと思います。 

いま、2009年に生きている人たちも、昔の弟子たちのように、ご聖霊をいただくことができます。昔も今も、私たちはイエス様が約束されたご聖霊をいただくことができます。さて、そのことは今日生きている人にとってどういう意味があるでしょうか？たぶん、ある人は「聖書の話は昔のことだから、2009年に生きている私にとってぜんぜん意味がない」と思うかもしれません。また、「イエス様はもう2000年前に死んでしまっているのだから、どうやって私はその方と関係を持つことができるのか」という思いがあるかもしれません。もちろん、主イエス様は2000年前に死んで、三日目に、死から復活されました。また、聖書の神様はずうっと昔に、この世を創造されました。これは本当に昔のことです。でも「昔のことだから、今日何の意味もない」という、結論は正しくないと思います。聖書の話は昔話ではありません。今日もイエス様の言葉は事実です。ですから、イエス様のご聖霊の教えもまた事実です。イエス様はもうこの世に住んでおられません。イエス様のかわりに、ご聖霊がおられます。ご聖霊、すなわち、助け主の目的を思い出して26節を見て下さい

「あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに、話したすべてのことを思い起こさせてくださいます」。

クリスチャンにはご聖霊が必要ようです。ご聖霊がいないクリスチャンはいません。ご聖霊はイエス様が約束されたカウンセラーです。毎日私たちはこのカウンセラーとともに歩んでいます。聖書を読むとき、ご聖霊は私たちに神様の言葉を説明して下さいます。私たちになにかアドバイスが必要なとき、神様はご聖霊をとおして私たちを助けられます。イエス様の教えによれば、ご聖霊はいつも導きを与えて下さいます。 

B． では、もう一か所聖書を開いて下さい。使徒パウロはローマ人への手紙で、ご聖霊について大切な真理を書いています。ローマ人への手紙8章14節~16節を見て下さい。その箇所では、ご聖霊は「神のみたま」とか「みたま」とよばれています。その箇所はクリスチャンにとって、大切な疑問に答えます。それは「どうやって私はクリスチャンであることを知るのでしょうか」という疑問です。クリスチャンとして、私たちは「神の子」とよばれています。でも、だれが私たちにこのことを言われましたか？実は、ご聖霊が私たちにその真理をあきらかにしています。一回だけでは十分ではありません。ご聖霊は私たちに必要なとき、いつもこれをあらわされます。16節をご一緒に読んでいきましょう。

私たちが神の子どもであることは、御霊ご自身が、私たちの霊とともに、あかししてくださいます。（8章16節）

そのあかしのために、クリスチャンにはご聖霊が必要です。私たちは自分から、「私は神の子」と言うことはできません。私たちは他の方からこの真理を聞かなければなりません。その方とは神のみたま、すなわち、ご聖霊です。かれは聖書の言葉をとおして、私たちを励まして下さいます。私たちの信仰が弱いとき、その励ましを聞くと、とてもよい慰めになるでしょう。 

いつも、次のことを忘れないで下さい。私たちは自分の力で信仰を持つことはできません。神様からの無条件の恵みによってできるのです。それは神様からのプレゼントです。聖書の神様はそのプレゼントを与えて、「だれでも　どうぞ」受け取って下さいと言われます。人間のすることが一つあります。それは、そのプレゼントをもらうことです。そして、神様を信頼すると、ご聖霊がいただけます。

使途パウロは14節に「神のみたまにみちびかれる人は、だれでも神のこどもです」と書いています。これを読めば、一つのことがすぐ分かると思います。その箇所のキーワードは「導く」という言葉です。聖書の神様は生きておられる方ですから、ご聖霊もとても生き生きとした方だと思うのです。かれは私たちを導きたいと願っておられます。ですから、私たちの人生の歩みのなかで、ご聖霊に次のようなお願いをするのがいいと思います。

「ご聖霊さま、私は毎日イエス様とともに歩みたいのですが、これは簡単なことではありません。ぜひ、信仰の歩みを助けて、導いて下さい。」と祈るのです。クリスチャンの信仰は神様との関係で存在しています。これはとても「アクテイブ」すなわち、「いきいき」したものです。信仰というのは、イエス様との関係が一番大切なことだと思います。その関係をいきいきと保つために、ご聖霊はとてもよいカウンセラーです。かれは私たちの中に存在していて下さいます。かれは神様の話に私たちの心を開いて下さいます。そのようにして、私たち人間は神様の言葉を聞くことができます。だんだん神様はご聖霊をとおして、私たちの心の中に働いて下さいます。ある人がクリスチャンになる時、ご聖霊が与えられます。その時から、神様は人間を変えられます。徐々に、変えられていってそのゴールはイエス様のようになることです。神様はご聖霊をとおして、そのようにされます。 

C．聖書は次の言葉で、これを説明します

だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られたものです。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。（第二コリントへの手紙5章17節） 

これはクリスチャンにとってすばらしい約束です。クリスチャンになった時から、もう新しいものなのです。そのスタートから新しいものになるのです。その時から、神様はご聖霊をとおして私たちのなかに存在しておられます。少しづつ、ご聖霊は私たちを変えられます。 

D．ガラテヤ人への手紙はその基本的な結果について記しています。

しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制です。　（5章22節、23節） 

私がこれを読んですぐ分かることは、「自分の力で、これは無理だ」ということです。クリスチャンとして私たちは自分の力で、よい人間になろうと頑張る必要はありません。神様はご聖霊をとおして、私たちがさっき読んだみたまの実をつくる人にまで変えて下さると思います。神様は私たちに次のように願われます。他の人が私を憎んでも、私たちはその人を愛する。他の人が私たちに害を加えても、私たちは寛容をもって接する、また、他の人が冷淡な態度をしても、私たちは親切にする。そうすることが、私たちが神様の心に従がっていくことなのです。ご聖霊が私たちにその心の態度を与えられます。すぐにではなくて、また、急にでもありません。ステップバイステップ、少しずつ神様はこれを与えられます。これは簡単なことではなく、難しいことです。たまに、私たちは神様から変えられたくありません。そのとき、ご聖霊はゆっくり私たちを変えてゴールに到達するように説明して下さいます。ですから、最後になると、私たちにそれが分かると思います。 

さて、いままでのことをまとめてみましょう：

a)　ご聖霊はイエス様が弟子たちに約束された方です。

b)　また、天にいます父なる神様から出て、人間がクリスチャンになる時にいだきます。

c)　ご聖霊の目的はイエス様を信じている人たちに教えを思い起こさせて下さることです。

d)　ご聖霊は「私たちは神様の子」と私たちにいわれます。今もご聖霊はカウンセラーとして私たちを導いて下さいます。神様はご聖霊をとおして、私たちを変えられます。そうすると、私たちの人生はみたまの実を結ぶことができます。 

E　今日の最後のポイントはコリント人への手紙第一にあります。

あなたがたのからだは、あなたがたのうちに住まれる、神から受けた聖霊の宮であり、あなたがたは、もはや自分自身のものではないことを、知らないのですか　（6章19節） 

みなさん、これはご聖霊についての、もう一つの基本的な真理です。神様はご聖霊をとおして、私たちに存在して下さいます。これはとても深くて、分かりにくい考えだと思います。でも、信仰の歩みのために、これは本質的なことなのです。私たちは自分からイエス様を信じられません。でも、私たちは神様からの招きに信頼して答えることができます。そうすることによって、すなわち、イエス様を信じはじめたら私たちはご聖霊をいただくことができます。そのときから、ご聖霊が私たちの中に住まわれます。毎日のチャレンジは、私たちはご聖霊が私たちの中に住めるスペースを空けることです。そして私たちはそれを毎日自分自身で決めなければなりません。みたまの実を結ぶ人生がよいと思ったら、私たちはご聖霊に従うべきです。かれの導きが好きか、好きじゃないかということは大切ではありません。ご聖霊の導きはみたまの実を結ぶ人生のためにいちばん大切なことです。 

ご聖霊の導きに従う人生を生きましょう。

AMEN