・説教 マタイの福音書26章1-13節 「愛の香り」
2012.7.15
鴨下 直樹
ここで不思議な出来事が起きています。部屋中に普通の量をはるかに超えた香水の香りが漂っています。充満していると言ってもいいほどです。主イエスの弟子たちはそれを見ながら、「何てもったいないことをするのだ」と怒っています。言われた女性は、自分が何か間違ったことをしたのではないかと戸惑っている。そんな光景です。
しかも、その出来事が主イエスがすべてのことを話し終えた後で起こったとマタイは記しています。そして、その日は過ぎ越しの祭りの二日前であったとありますから、主イエスの十字架につけられる直前です。緊迫した状況とは異なる場面です。
そしてこの奇妙な出来事を、主イエスは「この女が、この香油をわたしのからだに注いだのは、わたしの埋葬の用意をしてくれたのです。」と言い、さらには「世界中のどこででも、この福音が宣べ伝えられる所なら、この人のした事も語られて、この人の記念となるでしょう。」とさえ言われています。今日の聖書は、ちょっと不思議がことが次々に記されています。
この女の人のしたことが福音と同時に語られて、この人の記念になるというのです。つまり、埋葬の備えをしたことが、福音、良い知らせと同時に記念となる、と主イエスは言われました。どういうことなのでしょうか。 (続きを読む…)
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