・説教 ヨハネの福音書2章1-11節 「水からぶどう酒へ」
2014.4.13
鴨下 直樹
今日の箇所は最初に主イエスがなさった奇跡の御業が記されているところです。しかも、興味深いことに、その最初になさった奇跡は水をぶどう酒に変えるというものです。一般的に日本の教会では、禁酒・禁煙というイメージがあるかもしれませんけれども、そのイメージを大きく覆すものです。結婚の宴の席です。当時の結婚式というのは一週間かけてお祝いをいたしました。連日、ご馳走を食べて、ぶどう酒を飲む、中には相当飲んだ人もいたと思います。あまりにも沢山飲んだからでしょうか、準備していたお酒が足りなくなってしまいます。そこで、主イエスの登場です。「さぁ、みなさん、もう十分飲んで楽しんだでしょう。そろそろ、お酒もなくなったことですし、今度は私の話でも聞いてください」と言って、説教を始めたってよさそうなものです。ところが、あろうことか、さらにお酒を造ります。約100リットルの水がめ6つ分もです。一人一リットルで考えても600人分。当時の結婚式に何人来ていたか知りませんし、あと何日残っていたかも分かりませんけれども、十分な量であったに違いありません。しかも、極上のワインを準備なさったというのですから、本当に不思議です。
今週から教会の暦では受難週に入ります。いよいよ、主イエスの十字架を思うときを迎えているのですけれども、そういうときに、この奇跡の物語を私たちはどのように聞いたらよいのでしょうか。聖書に記されている奇跡物語、特に、このヨハネの福音書では七つの奇跡が記されています。どれも不思議なものばかりです。私たちは聖書を読むときに、この奇跡というのを、どのように理解したらよいのでしょうか。 (続きを読む…)