・説教 マタイの福音書22章34ー46節 「最後の問い」
2012.5.6
鴨下 直樹
今朝の礼拝説教のタイトルがまた変わっていることをすでにみなさんはお気づきになられたと思います。先週の週報や月間の予定表には「一番大切なこと」となっていました。この「一番大切なこと」というタイトルはすでに聖書をお聞きになれば何を意味しているかすでにお分かりのことと思います。パリサイ人が主イエスに「律法の中で、大切な戒めはどれですか。」と尋ねたことに対して、主イエスのお答えが「これが大切な第一の戒めです。」と言われたところがきているわけです。
「最後の問い」と言われると少し考えなければなりません。実は、ここは長い間なされた主イエスとパリサイ人やありとあらゆる人々との論争の最後の場面になるのです。主イエスをためすためになされた最後の問いが、実は今日の箇所なのです。
今日の聖書のところには少し面白い書き方がしてあります。
しかし、パリサイ人たちは、イエスがサドカイ人たちを黙らせたと聞いて、いっしょに集まった。
と三十四節にあります。実は主イエスがエルサレムにお入りになられてから、これまであらゆる人々がやって来て主イエスに難問を突き付けてきておりましたが、実はまだ一度も直接パリサイ人からの問いはなされておりません。例えば十五節以下のところを読みますと、パリサイ人はヘロデ党の者に質問させているという場面はあります。また、主イエスのお答えが自分たちに向けて言われていることに気づいてイエスを捕らえようとした、などということはすでに記されておりますけれども、直接に問うのはここの場面なのです。 (続きを読む…)